理事長挨拶

CVIT理事長としての所信表明

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科 中村 正人 このたび、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)理事長を拝命いたしました。多くの先生からご支持を賜りましたことに感謝しますとともに、寄せられている期待の大きさに身が引き締まる思いでいっぱいです。マニフェストに私の思いを示しましたが、改めてCVIT理事長として所信をいくつか述べてみたいと思います。

本学会が直面する問題には適切に、また、タイムリーに対応していく必要があります。その際、抱える問題点を会員各位が共有していることが前提となります。そのため、地方会の位置づけが非常に重要となると考えています。会員の声を吸い上げる場として、また議論する場として地方会が活性化されることを望んでいます。積極的に地方会に参加いただき、進むべき方向性、意見を共有してほしいと願っています。各運営委員会は寄せられた意見を踏まえ、発展性のある結論を導き出していただきたいと思います。また、それが実現可能な組織づくり、学会運営を目指していきます。

高齢化社会を迎え、医療費高騰といった問題が叫ばれ、費用対効果の追求も話題に挙がっています。治療選択肢としてカテーテル治療の今後のあり様を、学会自ら考えていく必要に迫られています。本邦で実践されているカテーテル治療の環境はある意味で諸外国より恵まれています。この環境を適正に維持するために何を改善すべきかを真剣に考える時期であると認識しています。マニフェストに「カテーテルを用いた治療介入を行う集団である当学会が目指す方向はおのずと統一されたものになると確信している。また、プロ集団であるという自負を持って学会運営にあたりたい」と述べました。多くの議論が必要ですが、必ずや賛同していただけるような結論が得られることを期待しています。

年次学術集会の充実とライブデモンストレーションのあり方の検討も急務と考えます。新しいデータ、明日の臨床に有益なデータを発表する場として、また情報を収集する場として、学術集会の位置づけを高いものにしていきたいと思います。ライブデモンストレーションが治療手技、戦略を学ぶ場として一定の役割を担っていることは間違いありませんが、適正化が求められています。非常に難しい問題ですが、多くの方に議論に参加いただき、新しい局面へと展開していけばよいと希望しています。

専門医試験は今年の試験方式の結果を受けて、改善すべき点は改善されることになるでしょう。セミナーやself learningなどの学習機会も学会が主導して提供していくべきではないかと考えています。重要な案件ですので引き続き慎重に議論を進めたいと思います。

末梢血管疾患に対する血管内治療、structural heart diseaseに対するカテーテル治療など手技は多様化、複雑化してきています。これらの診療において、看護師、放射線技師、臨床工学技師などコメディカルの方の役割、連携の重要性はますます大きくなっていくものと考えられます。CVITはともに学ぶ場として、また彼らがもつ問題点の解決策を導き出す絶好の場であると確信しています。また、他学会、公な会における交渉も増えていくでしょう。個人ではなく、学会全体でサポートしていく道を開きたいと思います。

今日、カテーテル治療は国民の健康増進に必須の診療行為となっています。循環器診療に携わる医療従事者にとってCVITが重要な学会の一つとなるよう一歩一歩着実に前進させていきたいと思います。しかしながら、私個人の力では山は動きません。会員一人一人が何をなすべきかを考え実践していただきつつ、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科
中村 正人