理事長挨拶

理事長としての所信表明

東海大学医学部内科学系循環器内科学教授 伊苅裕二

東海大学医学部内科学系循環器内科学教授 伊苅裕二このたび、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)理事長を拝命いたしました。多くの先生からご支持を賜りましたことに感謝するとともに、達成すべき目標への道のりを考えると身の引き締まる思いがいたします。

CVITは、虚血性心疾患をはじめストラクチャー心疾患や末梢動脈疾患を対象とし、インターベンション治療を鍵として、臨床、研究、教育の側面から大切な役割を担っています。ただし、従来診療報酬、承認認可へのステップの参入など学会として今まで未熟であった点を成熟させ、若手医師に魅力ある領域として進化させることが重要です。

1 診療報酬の維持と増点

PCIに関連する保険点数の減額が限界に達しつつあり、これ以上の減額は診療レベルの低下に結びつくため反対です。J-PCIデータからPCIの国民健康増進への重要性を示し継続的な働きかけをします。

2 新専門医制度に対応した実践的な専門医制度の構築

CVITでは、インターベンション技術を認定する特徴ある学会として実践的な専門医制度へ大きく舵を切ってきました。日本循環器学会とも連携し社会的ニーズにこたえられる実践的な専門医制度を確実に構築していきます。

3 ストラクチャー心疾患治療の推進

若手インターベンション医には、興味の尽きない領域です。新規デバイスの導入推進にCVITとして積極的に参画し、CVIT会員がストレスなく新規治療が行えるよう学会としてサポートしていきたいと存じます。

4 末梢動脈疾患治療の推進

末梢動脈疾患の新規デバイスの導入にCVITがきちんと関わり、CVIT会員がストレスなく新規治療が行えるよう、この領域におけるCVITのプレゼンスを上げていきます。

5 ライブ教育の推進と総合的な教育制度の構築

インターベンションの技術の向上にライブが果たしてきた役割は言うまでもありません。総合的な教育制度も合わせて推進します。

6 産学共同研究の推進

心血管インターベンション領域において、多くの日本独自の領域が発展し、すでに世界をリードするレベルに到達しました。日本の技術、デバイスを含め心血管インターベンション領域は日本の医療業界では、稀にみる輸出産業となっています。さらに産学共同研究を推進し、日本から世界へ新たな領域を発信していくことをCVITはサポートします。

7 CVIT誌のインパクトファクター取得

学術団体としてインパクトファクターを有する雑誌を発刊しているのは国際的な他の団体と比べても大きな強みであります。CVIT英文誌発刊から編集長として携わってきましたが、現在仮想インパクトファクター0.7まで右肩上がりで上昇してきました。次の4年間のうちに公的なインパクトファクターを取得します。

8 新規デバイス承認への積極的参画と早期導入

新規デバイスの承認への素早い対応をし、結果として承認を早くするようにCVITとして努力したいと思います。

9 働き方改革・2025年問題への対応

ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)に対するPrimary PCIを国民全体にひろく供給する使命がCVITにはあります。今後、医療へ働き方改革の波が押し寄せるのは必然です。PCI術者の人権を守りつつ、日本全体に安定した医療の供給ができるようにしたいと思います。
日本の医療環境は、2025年問題という爆発的な老齢人口の増加により、需要過多かつ供給不足の時期を迎えます。安定した医療の提供という点からは、必要なPCIを安定して供給できる体制を維持しなければなりません。

10 日本循環器学会でのプレゼンスの向上

新規デバイスの承認、診療報酬、専門医制度など、日本循環器学会と共同で作業しなければならないことが多くなってきました。CVITの日本循環器学会でのプレゼンスを向上させることに努め、CVIT会員の利益として還元できるよう努めます。

まとめ

マニフェストに掲げた10の公約を簡潔にまとめました。心血管インターベンション治療の更なる発展を目指すことで、魅力ある領域として若手医師がインターベンション治療を目指していただけるのが理想です。