CVIT-DEFERレジストリー概要

研究課題名

中等度狭窄に対する補助診断装置を用いた冠動脈インターベンション実態調査
(CVIT-DEFER Registry)

背景

DPC改定に伴い、2012年4月1日から診断造影にて心臓カテーテル法による諸検査(FFR・OCT・IVUS・内視鏡)の包括点数が追加された(手術・処置等1-2)。これによりFFRなど診断手技が日常臨床で有効に使用可能となった。この診断手技はIntermediate lesionにおいてPCIをdeferする上で有効であることが示されており、PCIの費用対効果の側面からも有益な手法と考えられる。しかしながら、本邦の実際の使用状況、deferした場合の長期的な安全性は明らかにされていない。2年後には再審査が予定されており、それまでに費用対効果や臨床現場における影響などが明らかにされるべき課題である。

目的

当学会所属施設において補助診断装置を使用した中等度冠動脈狭窄症例を解析することで今回のDCP改定が臨床現場にもたらした功罪を検証する。

方法

  • Web datebase systemを利用し、当学会所属施設において補助診断装置を使用した中等度狭窄症例のレジストリーを構築する。
  • 日本心血管インターベンション治療学会所属施設において補助診断装置が使用された中等度冠動脈狭窄の全症例を登録し、必須の入力項目を本データベースに登録する。
  • 登録終了後、治療実態などの観察項目の解析を行う。
Deferの有無に関わらず、補助診断装置を使用した中等度狭窄症例全てが登録の対象となります。
今回のレジストリーは冠血流予備量比(FFR)に主眼を置いた登録項目になっております。

入力項目

基本情報 登録日・施設番号・施設名・都道府県・症例番号(自動割振)・DPC対象の有無・患者番号
患者背景 性別・年齢・身長・体重・BMI(自動計算)・TC値・TG値・クレアチニン値・HDL-C・eGFR(自動計算)・LDL値(自動計算)・FBS・HbA1c(NGSP)・スタチンの有無・PCI歴・CABG歴・心筋梗塞の既往・脳梗塞の既往・喫煙歴・家族歴・併発疾患・疾患名・病変枝数
CAG術前情報 核医学の有無;補助診断の観察領域について・運動負荷試験の有無
FFR術前方針 術前方針;中等度病変に対する治療方針
FFR測定 評価本数・測定について(診断造影時or 初回PCI時or Staged PCI時)・冠動脈造影施行日 ■ FFRの測定プロトコル
冠動脈造影所見(病変1~4) 中等度病変部位・病変部位(AHA番号)・病変形態・ACC/AHA病変分類・AHA病変分類狭窄度・定量的冠動脈造影(QCA)・評価方法(FFR、IVUS、OCT、内視鏡)・Deferの有無・FFR手技に伴う合併症・PCIに関する合併症
転帰-1年後の情報 イベントの有無(イベントとdefer血管との関連・イベントの内容)・イベント血管(AHA番号)

※ 症例登録日から11ヶ月後にご登録メールアドレス宛にリマインダー・メールが送信されますので、それまでは症例を「保存」にして頂き、この「7.転帰」の項目を入力してから確定ボタンを押してください。

※個人情報に関しては各施設の倫理委員会の判断により入力拒否可能。

個人情報の取り扱いについて

データセンターにおける患者同定は患者登録番号のみを用いて行い、患者の機密情報の保護に十分留意する。患者の機密情報(年齢、性別など)を登録するか否かは各施設の判断に委ねる。また、各施設における入力画面についても同様に機密保持に留意し、入力されたデータはレジストリーの目的以外には使用しない。なお、本レジストリーで得られた結果を公表する際においても患者の個人情報の保護を十分に配慮して行う。また、担当医師及び実施医療機関は本レジストリーに対して、資料の閲覧、開示に協力する。

本研究の倫理性について

本レジストリーは、ヘルシンキ宣言(1980年)に基づいて実施されるものとし、レジストリーに先立ち、患者もしくは家族の同意を前提とする。同意は医師が患者(または家族)に対して本レジストリーの目的、本レジストリーに参加しない場合も不利益は受けないこと、同意後でも随意参加の撤回ができること、その被験者の人権の保護に関する必要な事項などを十分に説明した上で同意を得て、同意書に署名を得る。

以上
2012.11.20